いくらかかる?社会人が看護師を目指すうえで気になる費用の話

こんにちは。Studyナースの中村です。

今回は社会人が看護師を目指すときに、確認すべき費用面についてまとめていきます。

自分のこれまでの貯金などで看護学校を選択するわけで、社会人の方の多くは金銭面が気になるはず。

進学するにはどれだけの費用がかかって、それを補助してくれる制度でどのようなものがあるか確認していきましょう。

 

■進学する看護学校による学費の違い

 

看護師を目指すための進学先は主に3つです。大学・短大・専門学校となります。学費の違いだけではなく、受験科目や通学期間が違うので、まとめていきます。

なお、ここでの看護師資格は「正看護師」を前提に記載していきます。

 

■大学

 ・受験科目: 英語、数学(ⅠA・ⅡBを含む)、国語(小論文)、理科、面接試験

 ・通学期間: 4年間

 ・学費

  国公立大学の場合:4年間で約300万円

   入学金:約30万円

   授業料:約55万円(1年間)

   学友会費:約6万円(1年間)

   教科書・実習用品代:約6万円(1年間)

 

  私立大学の場合:4年間で約500万円~700万円

   入学金:約30万円

   授業料:約100万円(1年間)

   施設設備費:約25万円(1年間)

   教科書・実習用品代:約10万円(1年間)

 

大学を選択する場合は、国公立と私立の2パターンがあり、もちろん私立大学のほうが学費は高くなります。働きながら学校に通うことはできないので、この学費を自分でまかなうのはかなり難しくなることが予想されます。

また、試験科目に「理科」があり、勉強する科目が他の学校より多くなります。時間的な制約がある社会人にとっては、これも厳しい条件になると思います。

ただ、大学を卒業した人には、看護師だけではなく助産師もしくは保健師の資格も同時に取れるというメリットがあります。資格を複数持つことができればキャリア選択の幅が広げられますね!

 

■短大

 ・受験科目: 英語、数学(ⅠもしくはⅠA)、国語(小論文)、面接試験

 ・通学期間: 3年間

 ・学費

 国公立短大の場合:4年間で約250万円

  入学金:約17万円

  授業料:約40万円(1年間)

  後援会費:約3万円(1年間)
  教科書・実習用品代:約10万円(1年間)

 

 私立短大の場合:4年間で約400万円

  入学金:約30万円

  授業料:約75万円(1年間)

  施設設備費:約40万円(1年間)

  教科書・実習用品代:約25万円(1年間)

 

短大は大学と比較すると受験科目に理科がなく、数学はⅠAのみで受験ができるので勉強科目を抑えることができますね。また1年間短い時間で看護師を目指すことができます。

しかし、学費については大学とそこまで変わらないですね・・。1年間短いのに学費がかわらないのであれば進学先に選ばなくてもよいかも・・と考える方もいらっしゃると思います。

実は、看護系の短大は全国数えても20弱しかなく、最近では短大を大学と統合するような動きがあるので年々短大の数は少なくなっています。そのため看護師を目指す人が短大を目指すことも少なくなっている状況です。

そのため、看護師を目指すなら、大学か専門学校のどちらかを選ぶことをおすすめします。

 

■専門学校

 ・受験科目: 英語、数学(ⅠもしくはⅠA)、国語(小論文)、面接試験

 ・通学期間: 3年間

 ・学費

 公立の場合:3年間で約100万円

  入学金:約1万円

  授業料:約30万円(1年間)
  教科書・実習用品代:約5万円(1年間)

 

 私立の場合:3年間で約330万円

  入学金:約20万円

  授業料:約70万円(1年間)

  施設設備費:約10万円(1年間)

  教科書・実習用品代:約15万円(1年間)

専門学校は短大と受験科目・通学期間が同じですが、学費が短大よりも安いことが特徴です。そのため、看護師を目指す方の多くは専門学校を目指す傾向があります。また、受験科目の難易度が大学や短大より易しいことも、多くの人が目指す理由の1つになっているようです。

最近では看護短大の数が少なくなっている背景を考えると、大学を目指さない限りは専門学校を目指すのが現実的になりそうです。

 

■社会人が看護学校の学費に充てられる給付金・奨学金について

各学校の学費がいくらくらい整理できたとしても、その学費は最低100万円はかかるので、とても大きな費用になります。そのような高価な学費に充てられる補助金や奨学金があり、中には社会人のみ利用できる給付金がありますので、合わせて整理していきましょう。

 

ここで紹介する給付金・奨学金は4種類です。

 

 ・専門実践教育訓練給付金

 ・日本学生支援機構奨学金

 ・就職先の病院の奨学金

 ・看護師等修学資金貸与制度

 

<専門実践教育訓練給付金>

これは、雇用保険でまかなえる給付金制度です。働く人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援して、雇用の安定と就職の促進を目的としています。

給付を受けるためには、厚労省指定の講座を終了することが必要で、受講中・受講後に給付を受けることができて、最大で168万円の給付金がもらえます。

 

給付条件については、以下のとおりです。

 

 ①厚労省が指定している講座を受講していること

 ②在職中の場合、看護学校入学までに、雇用保険に3年以上加入していること

  ※初めて給付を受ける人は、2年以上の雇用保険加入でOK。

 ③離職している場合、雇用保険の喪失から看護学校入学までの期間が1年以内であること

 

①については、ご自身が受験される看護学校が、給付金支給の対象となっていることが必要です。おそらくほとんどの学校が対象になるはずですが、中には対象にならないことがあるので、必ず看護学校のHPなどで確認しましょう。

 

②は直近勤めていた会社で雇用保険に加入していればその期間に条件があり、

③は退職してから看護学校入学までの期間に条件がある、という感じです。

 

もしご自身の雇用保険の加入期間がわからない場合は、前職の担当の方に確認するか、雇用保険被保険者証にて加入期間を確認するようにしましょう。

 

申請方法や制度の詳細については、別のコラムでも記載しているので、合わせてご覧ください。

社会人から看護師を目指す人が利用できる給付金

 

<日本学生支援機構奨学金>

これは、一般的に言われる奨学金と同じものです。給付奨学金と貸与奨学金の2種類があります。

給付奨学金は返済不要なものですが、高校卒業してから進学するまでの期間が2年以内でないと申し込むことができません。そのため、多くの社会人は貸与奨学金という返済が必要なものを選ぶことになると思います。

 

また、貸与奨学金には有利子のものと無利子のものがあり、条件を満たすと10,000円~60,000円の間で金額が調整されます。

詳しい支給条件は、奨学金のホームページや直接学校に問い合わせをすることをおすすめします。

 

<病院の奨学金>

これは、就職予定の病院から支給される奨学金です。病院に付属する看護学校だと利用できることが多いようです。支給金額はおおよそ月額50,000円ほどになります。

そして、無事に国家試験に合格して、その病院で一定期間勤務すれば返済を免除されるというメリットがあります。「一定期間」というのは奨学金の貸与期間と同じことが多く、最長3年です。

しかし、事前に就職先が制限されて自分で看護学校が選べなかったり、一定期間つとめられないとその時点で全額返済する必要があるので、学校選びと合わせて就職先の病院がどんなところかも確認しておくべきでしょう。

 

<看護師等修学資金貸与制度>

これは、各都道府県や市区町村といった自治体から貸与される奨学金を指します。ご自身が住んでいる都道府県・市区町村で申し込むことができ、月額約30,000円の支給があります。。

この貸与制度も返済義務はありますが、自治体が指定する病院に所定の期間勤務すれば返済が免除されます。期間としては5年のところが多いようです。病院の奨学金より期間が長く、自治体から就職先の病院を指定されるため、病院の奨学金と同様に病院選びまできちんと行うことが必要です。

なお、給付金額や自治体が指定する病院はHPに記載がありますので、必ずそちらをご確認ください。

 

■社会人は働きながら看護学校に通えるのか?

金額のことを確認していくと、「お金が厳しいから、働きながら学校通ったほうがいいのかな・・?」と不安になる方もいらっしゃると思います。

しかしながら、結論から言うと働きながら看護学校には通えません。

看護学校は全日制で、朝から夕方まで授業があり、進級すると看護実習が病院であり、と日中の時間をほとんど使うことになるためです。

 

お金が溜まってからチャレンジしよう、と金銭的理由で二の足を踏んでしまうかもしれないですが、国や病院は少しでも金銭的負担を減らして、多くの看護師が養成できるように制度を整えていますので、自分にあったものを見つけてぜひチャレンジすることをおすすめします!

 

■Studyナースは社会人から看護師を目指す方を応援します!

 看護師を目指したいと思う社会人の方をStudyナースは全力でサポートしていきます。

1人1人の個別のカリキュラムのもと、授業はオンライン動画視聴にて進めていただきます。ご自身のペースや生活スタイルに合わせて学習が可能です。

また、授業後にはzoom面談や確認テストを行って知識定着の確認をするため、学んだことを短期間で効率よくインプットしていくことができます。

 

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